※この記事は過激な表現を含みます。
今回は旅の話は一旦置いておいて、鬱病の当事者として、鬱っぽい曲・ドラッグに関する曲を30曲ほど書き連ねていこうと思う。鬱の時は明るい曲より暗い曲の方が聴いていて落ち着くし共感を得られるので、とりわけ鬱などの精神疾患に罹っている人(以降、メンヘラと呼ぶ)に刺さればいいなと思って筆を取った。同時にメンヘラ当事者の脳内を覗ける機会と思ってくれればいい。ひたすら自分語りをして厭世観を書き綴るつもりだ。
とはいえ、何も鬱っぽい曲・ドラッグに関する曲を探そうとして見つけてきたものばかりではない。単に普段私が聴いている好きな曲についての話である。
- ヒッチコック/ヨルシカ
- 思想犯/ヨルシカ
- 八月、某、月明かり/ヨルシカ
- 勘冴えて悔しいわ/ずっと真夜中でいいのに。
- お勉強しといてよ/ずっと真夜中でいいのに。
- サターン/ずっと真夜中でいいのに。
- ねむるまち/くじら feat. yama
- 生きていたんだよな/あいみょん
- The hole/King Gnu
- 生きてるだけでえらいよ/ReoNa
- 憂一乗/ヨルシカ
- Wishing Well/Juice WRLD
- All Girls Are The Same/Juice WRLD
- Lean Wit Me/Juice WRLD
- The A Team/Ed Sheeran
- Drunk/Ed Sheeran
- Give Me Love/Ed Sheeran
- Can’t Feel My Face/The Weeknd
- SAD!/XXXTENTACION
- Legends/Juice WRLD
- SUN GOES DOWN/Lil Nas X
- I Fall Apart/Post Malone
- XO Tour Llif3/Lil Uzi Vert
- WITHOUT YOU/The Kid LAROI
- Heavy/Linkin Park(feat. Kiiara)
- when the party’s over/Billie Eilish
- Life Goes On/BTS
- Blue & Grey/BTS
- Yonaguni/Bad Bunny
- 生きてることが辛いなら/森山直太朗
ヒッチコック/ヨルシカ
夏が遠くて。」
思想犯/ヨルシカ
八月、某、月明かり/ヨルシカ
勘冴えて悔しいわ/ずっと真夜中でいいのに。
お勉強しといてよ/ずっと真夜中でいいのに。
サターン/ずっと真夜中でいいのに。
ねむるまち/くじら feat. yama
生きていたんだよな/あいみょん
飛び降り自殺した人の歌である。メンヘラらしいテーマである。
「最後のサヨナラは他の誰でもなく
自分に叫んだんだろう」
私もそう思う。死ぬ瞬間は、自分に別れを告げるだろうと。でも同時に、私なら世界にも別れを告げる気がした。憎く醜い世界に中指を立てて死にたいからである。
「精一杯勇気を振り絞って
彼女は空を飛んだ」
その勇気を私は讃えたい。世間の「普通の人」はそれを否定するかもしれないけれど、せめて私だけは喝采を送ってあげたかった。だって、私には死ぬ勇気がないから。だからこうして惨めに生きながらえてこんな駄文を書き連ねているのだから。
The hole/King Gnu
「愛する誰かが自殺志願者に
僕らはそのくらい脆く不確かで」
というフレーズが印象に残る。私も自殺志願者だが、こんな世の中じゃいつ誰が自殺志願者になるかわかったものじゃない。そんな世の中で、強かに生きていくことは叶うだろうか。
「愛を守らなくちゃ」
誰かを強く愛することができれば、叶うのかもしれない。つくづくメンヘラは重い愛を求めていることを痛感させられる。
生きてるだけでえらいよ/ReoNa
わーわー泣いちゃって。
そしたらね、その子ね、そっかそっか、って。
背中なでてくれて、『えらいよー、生きてるだけでえらいよ』って。」
憂一乗/ヨルシカ
Wishing Well/Juice WRLD
私は英語の曲も聴くので、洋楽からもどんどん引用していく。歌詞の和訳はしないので原文ママでニュアンスを味わってほしい。和訳は検索すればいくらでも出てくるので、割愛。
さて、
“I still try even though I know I’m gon’ fail”
という部分にまずは共感する。失敗するとわかっていながら、何度も何度も挑戦し続けている。それでも無理なものは無理で、次第に諦めてゆく。そんな大人にはなりたくなかった。
そして
“Drugs killing me softly”
に薬物中毒者の悲しい末路が端的に表現されている。また、
“Ring-ring phone call from depression”
という表現も面白い。何の前触れもなく鳴り響く電話のように、鬱の波はいつも突然やってくるのである。
All Girls Are The Same/Juice WRLD
これは失恋がきっかけで鬱になってしまった人に聴いてほしい曲である。最初の
“They’re rotting my brain love
These hoes are the same”
に主題が込められていると思う。恋愛絡みで拗らせた人のシンプルな捨て台詞だと私は受け取った。歌詞は男性目線だが、女性目線に置き換えても同じことが言えるだろうと思う。
“Fuck livin’
I’ma drown in my sorrow”
には生きることのつらさが描かれている。私も悲しみの中で何度も溺れてきた。もっとも、失恋はしていないし、そもそも恋すらしていないのだが。だが、こんな曲を聴くと、恋をする気も失せるのである。
Lean Wit Me/Juice WRLD
Juiceも本当に好きなラッパーなのでもう一つ。
“Will I die tonight?
I don’t know, is it over?”
に薬物中毒の苦しみが詰まっていて、終わってゆく自分を感じるのであろう。酒や煙草に置き換えてもいい。酒に酔いすぎた時など、楽しい気分なのにしんどいような妙な感覚を覚えることがあるだろう。それが終わりへ一歩近づくということなのである。アル中でヤニカスの私も
“Fucked up liver with some bad kidneys”
になっているに違いない。
“I know I'm not right
But I'm not wrong, no, I'm not wrong"
と歌われているように、正しくないことはわかっていてもやめられない薬物中毒の悲惨さが描かれる。更に
というのが何ともメンヘラらしい。私も心中相手は随時募集中である。愛する人と心中できたらどれほど幸せなことか……。
(leanは咳止めシロップに含まれるコデインをスプライトなどで割ったものである。合法的にトリップできるものであるはずだが、私は体質的にトリップできなかったので残念だ。JuiceはこれのODで亡くなったとされている。良い子は真似しないように)
The A Team/Ed Sheeran
これは薬物中毒の少女を描いた曲である。Edの中でもお気に入りの一曲だ。
“The worst things in life come free to us”
は本当にその通りだと思う。最悪なことほど私たちに降りかかってきて、私たちを困らせる。
“And go mad for a couple grams”
で薬物に狂わされてゆく様子が描かれている。ほんの少しの薬物(酒や煙草でもいい)が私たちを狂わせることは経験のある人もいるのではなかろうか。
(the Class A Teamはヘロインやコカインのようなハードドラッグの中毒者を指しているらしい)
Drunk/Ed Sheeran
Edをもう一曲。
“I’ll be drunk again
To feel a little love”
皆さんはそんな夜はないだろうか。私にはある。いっぱいある。それでも酔っ払ったところで愛なんて感じられない。
“All by myself”
と繰り返されているように、一人孤独に酔っ払っているだけなのである。アル中の末路だった。
Give Me Love/Ed Sheeran
Edを最後にもう一つ。
“My my, my my, oh give me love”
というフレーズがひたすら繰り返される。愛が重い。重すぎる。Edの絶唱はメンヘラの愛の重さを雄弁に語っている。酒に酔いながら、君を抱きしめたいだけなんだと歌う。やっぱり私も誰かを重く愛してみたいかもしれない(結局どっちなんだと言われそうだが)。
Can’t Feel My Face/The Weeknd
この曲はラブソングと解釈している人と薬物依存の曲と解釈している人がいる。私は後者だと思ってここで紹介している。
“I can’t feel my face when I’m with you
But I love it but I love it oh”
という歌詞から、薬物で顔の感覚がなくなっていることがわかる。顔の感覚がなくなるような薬物はコカインだそうだ。歌詞中のsheやyouは薬物を指している。
薬物もやはりメンヘラと関わりが深い。つらいことから逃げる手段として手っ取り早いからだ。しかしその危険性は重々承知しておかなければならない。と言いつつ、私は酒を飲み、煙草を吸い、ODも何度もしてきたのだが……(ODはしない方がいい、絶対に)。
SAD!/XXXTENTACION
実にわかりやすい曲名である。特に注意を引くのは
“Suicide if you ever try to let go uh”
ではなかろうか。これこそメンヘラと言わんばかりの歌詞であり、たいへん気に入っている。私ももし恋をして、失恋でもしようものなら自殺しかねない。だから私に恋はできないと思う。だって
“But it’s torture bein’ in love”
なのだから。恋は拷問に等しかろう。こんなどうしようもない私もまた
“I’m sad I know yeah”
Legends/Juice WRLD
これは亡くなったLil PeepとXXXTENTACIONへのトリビュートソングであるそうだ(Juiceもその後亡くなっている)。この曲では
“What’s the 27 Club?
We ain’t making it past 21”
と歌われているように、先程触れた27クラブにも届かず、21歳にもならないうちに死んでいく仲間たちへの悲しみが歌われている。Juiceも21歳で亡くなった。才能あるラッパーが21で死んで、私はのうのうとそれ以上の年月を生きている。こんな世界はあんまりじゃないか。私ももっとODすれば死ねるのだろうか。後遺症が残って生きながらえてしまうのが怖くて実行できない勇気のなさが嫌いだ。
SUN GOES DOWN/Lil Nas X
“I wanna run away
Don’t wanna lie, I don’t want a life”
にこの曲のメッセージが詰まっていると思う。私も現実から逃げ出したい。生きたくない。どこか遠くの町で野垂れ死にたい。そんな空想を何度したことか。今まで食べたパンの枚数くらいはあるだろう。それほどに生きることはつらい。逃げ出したいことで溢れていると私は思う。
I Fall Apart/Post Malone
”Oooh I fall apart
Down to my core"
というフレーズが繰り返される。失恋して心の底まで破壊されていく様子がわかる。そして
”And now I'm takin' these shots like it's Novocaine yeah"
と酒に溺れていく。それでも、酒を飲んでも忘れられないと歌われている。やはり失恋をすると人は酒に逃げるものなのだ。私も失恋ではないもののつらいことがあってずっと酒に逃げてきた。酒は不安のすべてを取り除くわけではないけれど、幾らかは軽くしてくれるだろう。それは麻酔薬のようなものなのかもしれない(Novocaineは麻酔薬のこと)。
XO Tour Llif3/Lil Uzi Vert
こちらでは
”Push me to the edge
All my friends are dead"
というフレーズが繰り返される。友人の死の悲しみとそれによって追い詰められていく様が描かれている。そして
”Xanny help the pain, yeah
Please, Xanny make it go away"
と薬物に頼っていく姿が描かれる(Xannyは抗不安薬)。つらいことを経験した時に頼るのは、やはり薬物なのだ。酒も煙草も似たようなもの。そうした依存性のあるものに頼って生きていくしかない。私も抗不安薬を飲んで何とか理由のない不安を抑えているところである。
WITHOUT YOU/The Kid LAROI
”You cut out a piece of me, and now I bleed internally
Left here without you(No, no, no), without you(Ooh, ooh)
And it hurts for me to think about what life could possibly be like"
「君」によってバラバラにされてしまった様子。そして、この先の人生を考えると胸が痛む。「君」を罵りながらも、一人になるのが怖いと歌っている。私もそうだ。失恋ではないけれど、今後のことを考えると不安で不安で仕方がない。だから今日も向精神薬を飲む。一人でも前向きに生きていける道を探して。
Heavy/Linkin Park(feat. Kiiara)
“I’m holding on
Why is everything so heavy”
私も疑問に思う。なぜこの世のあらゆることはこんなに重く私にのしかかるのだろうか。逃げ出すことは許されないのか。生きて耐え続けるしか道はないのか。何度も自問した。だが、未だに答えは出ていない。
“I don’t like my mind right now”
本当にその通りだ。自分が嫌いで嫌いで仕方がない。うじうじ悩んで、何も行動を起こせず、部屋で蹲っているだけの私が、嫌いで……。
when the party’s over/Billie Eilish
何度も繰り返される
”Quiet when I'm comin' home and I'm on my own
I could lie say I like it like that like it like that
I could lie say I like it like that like it like that"
というフレーズから、独りぼっちでも大丈夫って強がっている(けど本当はつらい)様子がわかる。私も一人旅をしたり何かと一人でいるのは好きだが、独りが寂しい日も多い。恋をして失恋をすると人間強度が下がる。だから余計につらいだろう。強がらずに泣いてもいいのに、と声をかけてあげたくなる。
Life Goes On/BTS
“끝이 보이지 않아
출구가 있긴 할까
발이 떼지질 않아 않아”
鬱にも出口が見えない。終わりの見えない闘病生活に幾度となく苦しみ喘いできた。次の一歩を踏み出すこともできない。それでも
“아무 일도 없단 듯이
Yeah life goes on”
と歌われている。果たしてこれはバッドエンドであるように聞こえてならない。これは捻くれた見方だろうか。だって死を待ち望む者にとって、人生が続いていくことは苦痛でしかないから。
Blue & Grey/BTS
BTSからもう一曲。
“I just wanna be happier”
に主題が詰まっていると思う。ただ幸せになりたいだけ。本当にそうだ。だけどそれはとても遠くにあって、とても手が届きそうにない。あるいは身近にあるのか? だとしたらどうやって見つけたらいいのだろうか。
“괜찮다고 하지 마괜찮지 않으니까제발 혼자 두지 말아 줘 너무 아파” 大丈夫じゃないから大丈夫って言うなという歌詞にはすごく共感できる。大丈夫じゃない人に限って「まだ大丈夫」だと言う。また、何も知らない人が勝手に「大丈夫だ」と言ってくることもあるだろう。もうとっくに限界を超えているのに。だから一人にしないでと願う。その気持ちはよくわかる。
Yonaguni/Bad Bunny
私はスペイン語の曲もちょっと聴くので(スペイン語もわからないが)、一つだけ掲載してみようと思う。 この曲は与那国島を題に取っており、歌詞にも登場する。また、最後に日本語で歌うことでも話題になった。
「今日はセックスしたい
でもあなたとだけ
どこにいますか?
どこにいますか?」
“ Pensar en ti, bebé, pero cuando bebo
Me viene tu nombre, tu cara, tu risa y tu pelo, ey”
切ない失恋の思いが伝わってくる。酒を飲むと彼女のことが思い出されていくのだ。酒は楽しい気分にさせることもあるが、嫌な思い出や後悔などが浮かんでくることもある。酒はどちらにでも作用するのだ。
生きてることが辛いなら/森山直太朗
最後はこの曲で締めよう。これは初めから決めていたことだった。
「生きてることが辛いならいっそ小さく死ねばいい」
衝撃的なフレーズで始まるこの曲は、生きていることのつらさを決して否定せず、素直に肯定してくれる。メンヘラはそういう歌詞に惹かれるのだ。何よりも自分の感情を肯定されたいから。私はこの曲を聴いて、誇張抜きに大泣きした。
最後は
「生きてることが辛いならくたばる喜びとっておけ」
と締められる。くたばる瞬間はさぞ喜ばしいことであろう。私もその日を心待ちにしている。でも今は、まだ死ぬ時ではないらしい。世界が私に、死ぬことを許さない。だからちらつく現実から目を背けずに、一歩ずつ着実に、歩いていくしかないのだろうと思う。悲しいけれど、世界はそういうふうにできている。
以上、私の好きな曲を引用しつつ鬱病目線の感想を述べるだけの文章でした。